滋賀県高校春季総体サッカー競技(インターハイ予選)の決勝戦が6月7日に東近江市の布引グリーンスタジアムで実施。
3連覇を目指す近江と初優勝を狙う立命館守山の一戦は、3-2と打ち合いを制した立命館守山高校が見事初優勝を果たした。
スタメン
近江のスタメンは352と532の変則システム。一方立命館守山はオーソドックスの442。


攻めの近江、堅守の立命館守山。互いの特徴が出た前半。
序盤近江が左サイドを中心に猛攻を見せる。8番中江と11番松山を中心に左サイドのペナルティエリア角で数的有利を作る。細かなタッチのドリブルとショートパスを織り交ぜた近江らしい攻めで決定機を作るも、立命館守山は2番井上と3番森の両センターバックを中心に集中した守りを見せる。
しかし前半11分、左サイドの深い位置から11番松山が華麗なステップでDFをかわして侵入し、抑えたシュートはサイドネットに突き刺さり先制に成功。
先制後も近江は追加点を奪いに攻勢を仕掛ける。
「3失点後に逆転した準々決勝の彦根総合戦など、大会を通じて経験したことがチームの自信に繋がり失点後も崩れずに立ち向かえたと思う。」
立命館守山の7番中村のコメントの通り近江勢いにのまれず立命館守山は自陣ゴール前でブロックを引いていたラインを徐々に上げ、ボールを奪う位置をあげる。
ゲームの流れを察したのか近江の前田監督から「ギアを上げろ」との檄が入る。
迎えた前半19分、近江のビルドアップに立命館守山の6番山本が激しいプレッシャーをかけマイボールに。そのまま左サイドで仕掛けるも倒されFKを獲得。8番永井が蹴ったボールは綺麗な弧を描きファーサイドに。これを4番滝川が頭で合わせ試合を振り出しに戻した。
その後も両チーム中盤の激しい攻防からゴール前まで迫るも決定機には至らず前半を終える。
後半先手を取ったのは立命館守山
両校ともメンバーチェンジなく始まった後半、早速試合が動く。
前半からドリブルで観客を沸かせていた8番永井が左サイドでクロスを送る。これはDFに弾かれるがエリア手前で7番中村が拾う。距離はあったが迷いなく振り抜いたシュートはニアに突き刺さり立命館守山が逆転に成功。
後半早々に追いかける展開となった近江は準決勝で決勝点をあげた9番吉川(MIOびわこ滋賀)を投入。
すると前線が活性しエリアに侵入する頻度が増える。8番中江と11番松山を起点に決定機を続けて作り出すも17番GK藤森の身体を張ったセーブなどにより、ゴールネットを揺らせない。
このまま時間が過ぎると思われた後半22分。左サイドで再三チャンスを演出していた8番中江がエリア手前で前を向く。一人かわして左足でクロスかと思われたボールはGKを越えてサイドネットを揺らし同点に。
後半終盤、逆転を狙う近江の勢いが増しゴール前まで押し込む時間が続く。しかし相手の流れも集中して耐え攻撃の糸口をつかむのが今年の立命館守山の強さ。
後半22分、カウンターから得たスローインで5番平尾がロングスローを見せる。これは相手に弾かれるもエリア手前の中央で拾った8番永井が思い切って遠目からシュートを打つ。
「ロングスローの時、GKが前に出てキャッチングする場面が多かった。前に出ていたのが見えたので狙った」というループシュートはGKの頭上を越えバーを弾きゴールネットを揺らした。
試合終盤、猛攻の近江に最大の決定機が訪れる。左サイド11番松山のクロスに18番今井(Vervent)が頭で合わせるもバーを叩いた。その後も決定機を作るも立命館守山は最後まで集中を切らさず守り抜き見事勝利した。
シーソーゲームを制した立命館守山。全国の初舞台へ!
試合後、立命館守山の吉田監督は「嬉さがこみ上げてくるよりほっとした気持ちの方が強い。優勝まで長い道のりだった。同点にされた時、延長が頭によぎっていた自身の気持ちより、勝ち切るほどの強い気持ちを選手が見せてくれたのが非常に嬉しかった。」とコメント。
またキャプテンの中村選手は「初めての全国を楽しみたい。1度しかない機会なので1試合ずつ勝って上を目指す。」と意気込んだ。
優勝した立命館守山は7月26日から福島県で行われる全国高校総体(インターハイ)に滋賀県代表として出場する。


