近江高校VS草津東高校|高校サッカー選手権大会決勝戦マッチレポート


11月9日に皇子山陸上競技場で行われた高校サッカー選手権大会滋賀県予選決勝戦。近江高校対草津東高校の一戦は草津東高校が3得点無失点で3年ぶりの優勝を決めた。

この一戦に草津東の布陣は準決勝からメンバーを変えず4-4-2。

一方近江はシステムはお馴染みの3-6-1だが、選手の配置を大幅に入れ替えて挑んだ。

選手名を記す際はこれまでは〇〇選手と敬称を記載していましたが、当記事は敬称略しています。

スターティングメンバー

近江は準決勝で好連携を見せ文句なしの出来栄えだった前線の選手を交代。またサイドのWB(ウイングバック)に攻撃的な選手を配置するという従来の形ではなく、DF登録の岩見と藤田をWBに配置した。

それだけ、草津東の両サイドの突破力を警戒した。近江は試合ごとに対戦相手をしっかりと分析し、選手と指導陣が話し合うというチームスタイルがあるため、この布陣もきっと狙いがあったのだろう。

らしくないロングボールで落ち着かない試合


試合はロングボールが多い立ち上がりになった。

草津東が苦戦した守山北戦のイメージがあったのだろうか、近江にしては珍しくロングボールが多く、左のCBに入った6番中江からワントップの9番松山や両サイドのスペースに向けて大きく蹴り込むシーンが目立つ。

これに対し草津東のCB13番武久と14番池永の2年生コンビがしっかり対応。また、10番上原と22番河崎が下がったDFラインにしっかり連動してセカンドボールを拾う。

草津東は中盤の激しいプレスからボールを奪うと両サイド20番波多野と7番谷口、FWに入った5番寺川、9番力石の4人が起点になり、早くシュートまで持っていく。

個の力でこじ開けた。待望の先制点

攻守がめまぐるしく入れ替わる中、前半31分均衡が破れる。

上原が潰れてマイボールにしたボールを力石がペナルティエリア内で相手に囲まれながらも力強くドリブル。

粘りに粘って中央に運び、ボールがこぼれたところに待ち受けた20番波多野が隅に蹴り込み待望の先制点。泥臭く執念でもぎ取ったゴールだった。

9番力石がブロックをこじ開け最後は波多野

チャンス後に迎えた大ピンチは守護神がビックセーブ

近江も反撃に出る。前半34分に右サイドで得たFK。6番中江が正確に蹴り込んだボールに5番髙本が反応。フリーでヘディングするも惜しくもバーの上に。

続く36分この試合のハイライトとなる出来事が起きる。エリア内で宙に浮いたボールを草津東の7番谷口が頭で触ろうとした際、近江の選手の足が上がりペナルティキックとなる。

ファールを得た谷口がPKを狙うが近江の守護神山崎がストップ。シュートはコース、スピードともに良かったが山崎の読みが当たった形となった。

山崎の勝負強さは今年も健在

後半メンバーを替えて逆転を狙う近江

1点差で折り返した後半、近江は選手交代で15番池田に替わり11番市場、2番藤田に替わり13番廣瀬が入る。

選手交代に伴い配置も変わり近江は準決勝のスタメンと同じ布陣になった。

前半と打って変わって繋ぐ意識が高まった両チーム。特に近江は選手間の距離が近づき、ドリブルからのパス交換がスムーズになり、ゴールに迫る機会が増える。

しかし後半11分、後半初の決定機が草津東に訪れる。

20番波多野が個人技で4人をかわして深い位置まで侵入。グラウンダーのクロスを寺川がDFを背負い谷口へ繋ぐ。しかし近江DF陣が必死に戻ったため谷口のシュートはミートせず。

守護神岡留が攻撃の起点に

後半14分、伊豆藏のスルーパスからの決定機を果敢な飛び出しで1番岡留が防ぐ。直後、追加点が生まれる。

ゴールキックからの競合いで宙に浮いたボールを5番寺川が丁寧にDF裏にスルーパスを送る。右サイドで受けた9番力石がDFと並走しながらも力強くニアに蹴り込みゴールネットを揺らした。

豪快なミドルで追加点

脚を止めずに近江の攻撃をしっかり防ぎ、カウンターから追加点

後がない近江。前がかりになって草津東ゴールに迫る。

3番中川がドリブルでペナルティエリアまで運ぶ。前線の3枚が身体を張ってポストプレーをし中盤の上がりを助け、伊豆藏の意外性で決定機を作る。

前半と比べてゴールに迫るプレーが格段に増えたが、草津東の2年生CBの13番武久、14番池永がしっかりペナルティエリアでブロックを作り、10番上原と22番河﨑で挟み込んでボールを奪う。

近江が攻め込んでいた後半26分、カウンターで草津東の9番力石が独走し、最後はGKとの1対1を冷静に決め点差は3点差に。

力石が技ありのループシュートを決めた

その後、近江はエース10番山本を投入する。

前線でボールを持てる選手が増え、またシュートの意識が強くなったことで決定機を幾度も作るが、草津東の守護神、岡留が立ちふさがる。また、強烈なミドルがポストを強振するなど、この日は運に見放された。

草津東イレブンも最後まで足を止めることなく近江のドリブルやパスワークについて行き、好きに攻撃を組み立てさせない。試合はその後動くことなくタイムアップし、草津東が3年ぶり13回目の優勝を決めた。

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