令和6年10月12日、秋晴れのもと高円宮杯U15サッカー選手権大会滋賀県大会の決勝戦がビッグレイクBコートで行われた。
対戦カードは春のクラブユース選手権予選決勝と同一カード。SAGAWA SHIGA FAとエフォートFC。
クラブユース選手権滋賀大会を制したSAGAWAは今大会で2冠目を、2年連続で決勝進出を果たしたエフォートは、昨年のリベンジと初の栄冠を狙った。

チームカラーが出たスターティングメンバー
SAGAWAはお馴染みの4-4-2。
エフォートはSAGAWAのサイドを警戒し中央を固くすべく慣れた4-4-2ではなく5-3-2で臨んだ。
※エフォートの選手名はチーム公式HPから参照しています。


エフォートが優勢の序盤
SAGAWAボールでキックオフした前半。春のリベンジに燃えるエフォートが序盤のペースを握る。
エフォートはDFラインとFWの距離が近くコンパクトな陣形を保てたため、奪われたボールやルーズボールもすぐさまマイボールにすることができ、良いリズムで試合に入ることができた。
エフォートの攻撃の起点となったのは右SBの40番古山選手とFWの55番筈井選手。古山選手が浅い位置から対角に供給したロングボールを筈井選手が収め、ラインを押し上げる場面が目だった。

SAGAWA24番とエフォート40番は何度も見応えのあるマッチアップを繰り広げた。
高いテンションで試合に入れたエフォートは良い流れのまま、この試合初めてのシュートシーンを作る。
スルーパスに抜け出した左SBの9番藤村選手から、中央に走り込んだFWの8番横田選手がパスを受けシュートまで持ち込んだ。
続く前半8分、センラーラインの中央付近でDF2番岡本選手のFKを藤村選手が頭で合わせるもミートせず。
序盤はエフォートが幾度となくSAGAWAゴール前まで迫ったが、SAGAWAのDFラインはしっかり身体を寄せて対応し、決定機を作らせない。
徐々にペースを掴んだSAGAWA
エフォートペースで時間が経過するかと思われたが、春の王者が徐々に牙を向ける。
SAGAWAの両SBが高いポジションをとり、SB、SH、FWが絡み局面局面で数的優位を作りサイドを突破していく。
すると前半17分、SAGAWAに決定機が訪れる。右SHの16番のクロスにFW43番が頭で合わせたがシュートは僅かにバーの上に。
続いて左SHの24番がボックス深くまで突破し切り返してエリア外で待ち構えていたFW43番にボールを送る。43番はトラップ後、相手DFが寄せる前に強烈なミドルシュートを放ったがサイドネットを揺らした。
序盤から献身的なプレーを見せていたSAGAWAのFW43番が立て続けに得点チャンスを生み出した。

エフォートはコンパクトにラインを保てていたが、SAGAWAがロングボールを多用し始めたことで、ラインが間延びし、徐々にセカンドボール等が拾えなくなる。しかし、中央が堅いためサイドを突破されてもクロスへの対応は安定しており、ボックス内での寄せは速くSAGAWAに時間と余裕を与えなかった。
また奪った後はシンプルな攻撃を徹底しており、エフォートFWの8番横田選手と55番筈井選手がロングボールをしっかり収めカウンターの起点となるが、SAGAWAの両CBは安定した守備を見せ、また中盤のプレスバックが早く、ゴール前まで良い形でボールを運べなかった。
そんな一進一退の激しい攻防が続く中、前半24分に最大の決定機が生まれる。SAGAWAの左SB17番のクロスに快速FWの44番がニアでうまく合わせたがシュートはポストを直撃。

その後は、両チーム隙を与えず前半が終了。
両チームの特徴が存分に出た後半戦。
前線を入れ替えて後半に臨んだエフォート。後半も序盤はエフォートがペースを掴む。
後半3分、右SB40番古山選手の浅い位置からのクロスを途中出場のFW38番正垣選手が競り勝ち、中央にグラウンダーで折り返す。ボックス内で待ち受けた6番谷選手が合わせたが僅かにシュートはミートせず。
続いて31番のボランチ連選手が遠目から強烈なミドルを打つも枠を外れる。エフォートは立て続けに訪れたチャンスをものにできなかった。
するとSAGAWAは突破力のあるFW44番や左SH24番にボールを集め、両サイドからクロスを何度もあげる。しかし、エフォートの両CB2番岡本選手と39番佐々木選手の安定した守備で決定機まで至らない。

エフォートもカウンターで55番筈井選手が一人でシュートまで持ち込むも41番GKが集中を切らさず対応する。
両チームとも前線の運動量が落ちてオープンな展開となり、後半10分以降は更にゴール前での攻防が増える。
後半20分、SAGAWA左サイド24番グラウンダークロスをファーで20番が飛び込むも僅かに合わず。
後半25分、ルーズボールを競り勝ったエフォート38番正垣選手がGKと1対1になるも決めきれず。

SAGAWAの突破力、エフォートの堅守といった特徴が存分に出てスコアレスで延長戦に。
延長戦、始めの決定機はエフォートが作る。サイドからのクロスでゴール前が混戦となり、こぼれ球に反応したMFの16番四宮選手が詰めるもSAGAWAのGK41番がしっかり抑える。
その後、両チームともロングボールで攻撃の糸口を掴もうとするも双方DFラインが安定した対応を見せ決定機までは作らせず。

このままPK戦に入るとかと思われた終了間際に交代で入ったSAGAWAの選手が仕事をする。
左SH24番がサイドチェンジで右サイドに展開。裏に抜けた右SH35番がエフォートDF陣が戻りきる前にクロスを入れる。ファーに走り込んだFW36番が頭で合わせ待望の先制点が生まれる。

そのまま時間が流れタイムアップ。SAGAWA SHIGA FAが4年ぶりに当大会を制し、この年代では春のクラブユースと合わせて県内2冠を達成した。
一方のエフォートは敗れはしたものの春先と比べ戦いの幅も広がり、どちらが勝つか分からない試合展開に持ち込んだのは見事だった。
この試合後にエフォートの美濃部監督は「これまでSAGAWAさんと対戦した3試合の経験を踏まえゲームプランを用意して決勝に挑みましたが、SAGAWAさんはやっぱり強かったです。」とコメント。
この大会で優勝したSAGAWA SHIGA FAは滋賀県の第2代表として、11月2日に行われる高円宮杯関西プレーオフ1回戦で京都府のVervent京都との一戦に挑む。