【クラブユース滋賀県大会】一点差に泣いたABRIR FC。2年連続のファイナリストが最後まで貫いたこと。

2026年5月9日(土)、第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会滋賀県大会の決勝戦が行われた。2年連続でファイナルの舞台に立ったABRIR FCは、5年ぶりの王座奪還を狙うFC湖東と対戦。

強風が吹き荒れるコンディション、そして延長戦までもつれ込む激闘。1-2という結果に一点差で泣いたABRIRだが、彼らがピッチで最後まで貫き通した「らしさ」と「フェアプレー」の精神は、観る者の心に深く刻まれた。

スタメン

背番号/ポジション選手名
41/GK西村 宗亮
3/DF吉野 颯太郎
11/DF松岡 陸斗
35/DF工村 咲夏翔
47/MF大伴 久眞
7/MF桒原 優太
36/MF庵 結仁
18/MF伊達 蒼
9/MF寺井 結哉
8/FW米田 龍翔
10/FW田中 創大

逆境をものともしない先制劇と、貫かれた「繋ぐ」意志

ABRIRは前半、風下に立つ難しい立ち上がりとなった。守勢に回るかと思われた予想を裏切り、序盤から果敢に攻め立てる。 開始わずか1分、左サイドでタメを作った10番田中が鮮やかに右サイドへ展開。スペースへ走り込んだ35番工村がファーストシュートを放ち、チームの士気を高めた。

続く前半9分、待望の先制点が生まれる。再び10番田中のキープから右サイドへ展開すると、飛び出した18番伊達が冷静にゴール左隅へ流し込んだ。

その後、湖東の激しいプレスにさらされる場面もあったが、36番庵と7番桒原が絶えずポジションを取り直し、テンポの良いパスワークで回避。強風に煽られミスが起きやすい状況下でも、「繋いで剥がす」というABRIRらしさを披露した。

22分に一瞬の隙を突かれて同点に追いつかれるが、彼らの勢いは衰えない。

10番田中と8番米田を中心に波状攻撃を仕掛ける。前半24分と32分、立て続けにCKからこぼれ球を押し込みゴールネットを揺らすが、オフサイドの判定に。ゴールにならなかったが、流れの中やセットプレーなど多彩な形で相手ゴールを脅かし続けた。

激化する攻防の中で見せた、献身性とフェアプレー

風上に立った後半、一進一退の攻防が続く。湖東のシュートチャンスが続くが、GK西村が立て続けにセーブし、また相手セットプレーでは安定したハイボール処理を見せた。

35番工村、47番大伴の両サイドバックが対人で自由を許さず、センターバックの11番松岡と3番吉野が的確なカバーリングで危機を未然に防ぐ。 また、9番寺井と18番伊達の両ワイドは、DFライン近くまで戻る守備とカウンター時のスプリントを繰り返し、チームのために心身を削って走り続けた。

特筆すべきは、こうした激しい競り合いの中でも、ABRIRの選手たちが常に正々堂々とプレーしていたことだ。勝利への執念と、相手へのリスペクトを両立させるフェアプレー精神。その姿勢こそが、2年連続で決勝へ勝ち上がってきた彼らの誇りそのものであった。

終了間際、10番田中の放った強烈なシュートが無情にもクロスバーを叩いた瞬間、ピッチには大きなどよめきが湧いた。

敗れてなお、色褪せない技術とこだわり

延長戦に入ると疲労はピークに達したが、最後まで自分たちのスタイルを捨てなかった。延長前半3分、カウンターから勝ち越しを許すも、選手交代を機に再び反撃。相手の堅守を前に1点が遠かったが、最後までラフプレーに走ることなく、技術でこじ開けようとする姿勢を貫いた。

昨年の悔しさを知る選手も多い中での敗戦。そのショックは計り知れないだろう。しかし、強風でも、ビハインドでも、自分たちのサッカーを貫き、フェアに戦い抜いたABRIR FC。その姿は、流石の技術の高さと共に、滋賀の強豪としての確かな足跡を残した。この悔しさを糧に、関西大会でさらなる飛躍を見せてくれることを期待したい。

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