第103回全国高校サッカー選手権大会滋賀予選3回戦、八幡商業高校と近江兄弟社高校の一戦。
インターハイで草津東高校をやぶりシード権を獲得した八幡商業高校はこの試合が初戦となったが、堅さが見られることがなく8-1と大量得点で勝利した。
スターティングメンバー
八商はインターハイベスト4に貢献したメンバーが中心に。近江兄弟社は下級生中心だが体格の良い選手が揃う。
兄弟社のプレスをかわしボールを保持する八商
開始早々、八商がシュートチャンスを作る。
14番水野選手を中心としたビルドアップや、2番田中選手の精度の高いロングフィードから17番小西選手と11番木下選手が裏に抜けるシーンが多く、両サイドから多くのシュートチャンスを創出。
一方の兄弟社は八商のパス回しに翻弄される場面もあったが、しっかりと相手につきシュートの場面では身体を投げ出しブロック。また奪ったボールは簡単に前線に送るのではなく、しっかり中盤を経由し攻撃の形を作ろうと試みる。
しかし、対人に強い八商の16番中村選手と2番田中選手を前になかなかチャンスを作れない。
膠着状態が続いたが個人技で打開
DFラインを高く維持し、運動量が豊富な中盤とともに八商の中盤に自由を与えない兄弟社は理想の形で時計の針を進めていたが、前半20分についに得点を許す。
前半20分、八商14番水野選手が中央で3人を抜き去り右サイドに張った11番木下選手に展開。ダイレクトで中に折り返し、中央で抜け出した10番井上選手が倒れながらもゴールネットを揺らす。
綺麗な形での先制点に浮かれることなく、攻撃の手を緩めない。ゲーム再開後すぐ、クロスに抜け出した17番小西選手がダイレクトで中央に折り返す。中で合わせたのは20番小林選手。相手に時間を与えずあっという間に追加点を奪った。
その後は兄弟社もやり返す。アタッキングサードに人数をかけてボックス内への進入を図る。こぼれ球を9番大橋選手が拾い遠目から狙ったミドルはバーに直撃。
また、CKからの混戦で最後は2番北川選手がシュートを打つも八商が必死のブロック。立て続けに惜しいシーンを作る。
兄弟社に流れが傾いた前半終盤、八商が一瞬の隙をつく。カウンターで20番小林選手がDFを背負いながら反転しGKとの一対一に。冷静に決めて3点差。
一矢報いる兄弟社
後半も前半と変わらずポゼッションする八商に対して兄弟社がカウンターを狙う構図に。
後半1分、17番小西選手のクロスに14番水野選手が合わせて追加点。開始早々に兄弟社の出鼻をくじいた。
しかし、兄弟社も黙ってはいない。後半5分、八商の自陣深い位置でのビルドアップに全体が連動してプレスをかける。このプレスがはまり、相手のボックス内で10番坂本選手がボールを奪い、そのままネットを揺らす。
前半から継続していた兄弟社の狙いが功を奏した場面だった。
その後、兄弟社に流れが傾くかと思われたが、そこはさすがインターハイベスト4の八商。気持ちを締め直して相手に流れを渡さない。
失点の2分後、17番小西選手のスルーパスに14番水野選手が抜け出し追加点を決め、勝負あり。その後も得点を重ね大量8得点で試合を決めた。
相手に流れを渡さず、良い時間帯で得点を重ねた八商は見事。一方の兄弟社もやられっぱなしではなく八商のゴールに迫る場面も作った。
試合巧者で最後まで意識を高く保った八商が準々決勝への進出を決めた。