11月3日の高校サッカー選手権滋賀予選準決勝第1戦、布引総合運動公園を舞台とした近江高校対八幡商業高校は、4-1で近江の勝利に終わった。
スターティングメンバー
3年連続の優勝を目指す近江はお馴染みの3-6-1。初のベスト4に進出した八商は4-4-2。両校とも前の試合と同じメンバーで挑んだ。
ドリブル中心で切り込む近江に対して、八商はパスワークを得意と、その両校の特徴が出た試合だった。
攻める近江に守る八商
序盤から近江がボールを握る。選手の距離感を適度に保ち、ドリブルが引っかかっても別の選手がすかさず回収。あえて密集を作り、その先に空けたスペースに選手が次々と飛び込みチャンスを作る。
一方の八商は中盤の両サイドがDFラインに入り6-2-2の形でブロックを作る。近江は人とボールを動かし、次々とシュートチャンスを作るが、GK広瀬、CB2番田中と16番中村を中心にDF陣が踏ん張る。特に廣瀬は飛び出し、シュートストップなど八面六臂の活躍を見せた。
八商の2トップ10番井上、20番小林は近江のチャンスメイカーである8番伊豆藏、4番河野を対応するため中盤に落ち、またサイドハーフもDFラインまで落ちたため、ボールを奪っても前線の枚数が足りず近江のプレスをかわせずなかなかゴール前まで持ち込めない。
先制点は近江らしいボールへの執着心から生まれた
防戦一方になるもゴールを堅守する八商。
スコアレスのまま試合が折り返すと期待された前半39分、とうとう均衡がやぶれる。
近江のCB5番髙本がDFラインの裏にロングボールを送る。6番中江が反応するもボールが長く、八商のDFに身体を入れられる。
これまで好反応を見せていた廣瀬がエリアのライン際まで飛び出しキャッチを試みるも、寸前で中江が足を伸ばし、中央にクロスを送る。走り込んだ9番松山が頭で押し込み先制点を奪った。
息をつく間も無く追加点を奪う
前半終了間際の失点で集中力が切れたタイミングを近江は見逃さない。
アディッショナルタイム、中江が中央から外にボールを運び、空いた中央で伊豆藏が受ける。フリーで遠目から狙うと思われたが、パスに切り替え7番福本に。反応した福本はすかさずシュートを打ちゴールネットを揺らした。
反撃に出る八商。流れるパスワークからゴールを奪う
近江のワンサイドゲームかと思われたが、後半開始早々に八商が牙を向く。
後半2分、右SBの1年生梅本がSBの脇のスペースに走り込んだ14番水野にスルーパスを送る。水野はDFを背負いながら後ろに落とし、受けた11番木下は浅い位置からグランダーのクロスを送る。20番小林はDFを引き連れながら上手く合わせニアに流し込んだ。
ダイレクトも入れた八商らしい綺麗なパスワークで奪った反撃弾だった。
試合巧者の近江。すかさず追加点を奪う。
得点後は八商に流れが傾く。中盤のラインが高い位置をとり、流れるようなパスワークで近江のプレスをかわす。17番小西がスピードに乗ったドリブルでチャンスを作る。
追加点に向けて勢いづく八商に対して近江は一瞬の隙をつく。
後半46分、髙本の縦パスを流れた9番松山が落とす。松山が空けたスペースで7番福本がフリーで受けエリア外から右足を振り抜く。強烈なミドルがニアに突き刺し八商を突き放した。
最後まで攻撃の手を緩めない近江。決勝へ駒を進めた
その後近江はエース10番山本を投入し攻めの手を緩めない。
前半と同様に攻め続け、後半37分には7番福本がダメ押し。福本がハットトリックとなる3点目で試合に終止符を打った。