12月8日ビックレイクで行われたクラブユース新人戦決勝戦。
対戦カードは3連覇を目指すMIOびわこ滋賀と、昨年の雪辱に燃える京都サンガF.C.SETA滋賀。
強風の中行われた決勝戦の模様をお伝えする。
スタメン
試合は開始早々に動く
風上に立ったサンガSETAが序盤から攻勢をかけ、勢いそのままに先制点を奪う。
前半8分、サンガSETA17番の右SB奥村選手のフィードに反応して抜け出した13番辻村選手がフリーでGKと1対1に。これを冷静に決めて先制点を奪った。
一方、風下に立ったMIO。マイボールは簡単に前線に当てるのではなく、丁寧にビルドアップを試みる。環境に合わせて臨機応変にスタイルを変えられるのも強みの一つだ。
すると前半19分、決定機が訪れる。左CKをサンガSETAの守護神松田選手がキャッチ。キャッチ後のロングフィードが選手に当たりこぼれ球を3番石倉選手がエリア内で拾う。サンガSETAのDF陣が詰め寄る中、中央にクロスを入れるが松田選手がセーブ。
前半は風の影響もあるが、両チームとも前線を含めた中盤の強度が高く、ボールが落ち着かない試合展開。そのため両チームとも、あまり決定機が作れずにいた。
サンガSETAは、ボランチの14番櫻井選手、2番中井選手がDFラインもケアしながら攻撃のスイッチを入れる。長短のパスを使い、シャドーの15番関谷選手、辻村選手、18番山田選手を起点にMIOゴールに近づくが、なかなか決定機が作れず。
MIOのCB2浅井選手、14番小林選手は強風が吹きつけ続ける難しい状況ではあったが、ロングボールの処理、ビルドアップを的確に行い、失点シーン以外は目立ったミスなくプレー。
チャンス数は五分だが勝敗を分けた決定力
後半立ち上がりすぐ、MIOが試合を振り出しに戻した。
左サイドからのクロスを中央で待ち受けた24番服部選手がダイレクトで合わせてネットを揺らした。クロスもDFを外して良いタイミングだったが、難しいバウンドを力まずに合わせたシュートは見事。
同点後はしばらく試合は硬直。風上に立ったMIOはいつもの攻撃パターン、6番上田選手に当ててからリズムを作る。しかし、サンガSETAのDFラインとボランチの激しいチェイシングで、なかなかリズムが作れない。
すると後半10分、思わぬ形で追加点が生まれる。サンガSETAのゴールキックからのビルドアップに対してMIOが素早くプレスをかける。
ルーズボールを拾った26番福嶋選手がダイレクトで前に落とし、3番石倉選手が反転しダイレクトシュート。これが良いコースに飛び追加点を奪うことに成功。
しかしサンガも黙ってはいない。後半11分、サンガSETAの13番辻村選手がDFをかわしエリア内に侵入。GKと1対1になるがタッチが大きくなったところでMIO12番の草野選手が飛び出しファインセーブ。
なお、前半からサンガSETAの攻撃の起点になっていた13番辻村選手はこの時の接触プレーで痛め、6番関谷(愛希)選手と交代する。
後半20分、サンガSETAのチャンス。中央で受けた関谷選手がためを作り斜めに走り込んだ2番中井選手に渡す。抜け出した中井選手がシュートするもDFの寄せが早くミートせず。
その5分後またしてもサンガSETAの決定機。中盤のこぼれ球を中央で受けた15番関谷翔選手が運び、スルーパスを送る。6番関谷愛希選手がフリーでシュートを打つも惜しくも枠外に。
決定機を物に出来ないでいると徐々に流れはMIOに傾く。
後半29分、サンガSETAのゴールキックを中盤で3番石倉選手が拾うと、すかさず右サイドのスペースに供給。20番永石選手が裏に抜け、角度はなかったがニアに撃ち抜き追加点を奪う。
後半アディッショナルタイム、サンガSETAが押し込むが跳ね返され、クリアボールをハーフラインで6番上田選手が拾う。ルックアップしてGKの位置を確認すると、すかさずロングシュートを放つ。これが風に流されゴールに吸い込まれ4点目。
その後すぐ審判の笛が鳴り4対1でMIOびわこ滋賀が3年連続の優勝を決めた。