ツミアゲルモノ -レイジェンド滋賀FC U-15の取組み-

目次

ツミアゲルモノ-監督(指導者)の想いや情熱を紹介する企画-

JFAに登録されている滋賀の監督者は116名、指導者は930名(登録者数は2021年度の数値)いますが、サッカーに対する考え•想い•指導方法などは千差万別です。

ここでは監督やコーチの考えや想いに焦点をあて、チームの特色や指導内容等を紹介します。

新人戦3位入賞の注目チーム

レイジェンド滋賀FC U-15

レイジェンド滋賀FC U-15について

Jリーグの参入を目指す【レイジェンド滋賀(関西サッカーリーグ1部)】の下部組織として2014年に立ち上がりました。主な練習場はビッグレイクで、守山駅からクラブ専用のシャトルバスが出るなど県内トップクラスの練習環境を誇ります。

レイジェンド滋賀FC U-15は徐々に力をつけている印象で、近年は中学年代の2大トーナメント(クラブユース/高円宮杯)でベスト16以上に必ず残っているほど。

なお、昨年(2022年)のクラブユース選手権はベスト8、高円宮杯選手権大会はベスト16と決勝トーナメントに残るものの、3年ぶりに戦ったトップリーグは12チーム中10位でフィニッシュし1年で降格。悔しいシーズンになりました。

しかし、昨秋の新人戦では予選グループを1位突破し、準決勝では優勝したMIOびわこU-15に接戦の末惜しくも敗れ3位入賞に。今シーズンに期待を持てる結果で昨年を締めくくっています。

そんなチームは普段どのような練習をしているのか、下部組織のチームと街クラブとの違いなどが気になったため、練習を訪問しました。

レイジェンド滋賀FC U-15の練習を訪問

2023年のシーズン開幕を控える平日に訪問。

今年は例年に比べて暖冬とはいえビッグレイク周辺は風を遮るものがなく、手足が凍てつく寒さの中で全学年が人工芝コート1面で練習をしていました。

(取材に伺ったのは寒波前でした。)

ビッグレイクに到着してまず目に入ったのは

19時からの練習開始前に到着。練習開始に間に合ったことを安堵していた自分の前を選手が続々と更衣室から出てきて、挨拶をしながらピッチに入っていきます。

ピッチに入るやいなや各選手がマーカー等を並べアップの準備を行います。クラブのボールの空気圧を確認し、空気を入れるなど練習の準備を黙々と行います。

自主的に準備をする新チームのメンバー

レイジェンドの練習は火曜に守山市内の小学校グラウンドで、木•金はビッグレイクで行います。

1学年28名所属し、3学年で80名強の大所帯。そのため、ビッグレイクではピッチの半分を1学年が使用し、残り半面を2学年で分け各学年別メニューに取り組みます。

この日の練習は、新チームの2年生がハーフコートで、残りのコートを1年生と3年生が分けて練習していました。なお、3年生は週末に行われるフューチャーリーグ※に出場予定の選手10名程度が参加していました。
(※中学3年生の秋から高校入学までの半年間は公式戦(目標)がないため、技術や体力の維持向上を目的に開催されているエフォートFC主催のリーグ戦)

気になる練習メニューは

小学校での練習はフィジカルやアジリティートレーニングが中心で、ビッグレイクではボールを使ったトレーニングを行います。

ボールを使ったトレーニングはその時々に生じている課題に対するメニューを1ヶ月単位で組んでいるいるそうです。

この日の練習内容は次のとおりでした。

  1. ウォーミングアップ(5分)
  2. サーキットトレーニング(10分)
  3. パス&コントロール(15分)
  4. シュート練習(クロスに3人)(20分)
  5. シュート練習(クロスに4人)(20分)
  6. ハーフコートで8対8(50分)
練習前のミーティングは新シーズン開幕に向けて目標を明確にしモチベーションを上げるような内容

練習前のミーティングが終わりウォーミングアップが始まります。

中学生らしく談笑しながら良いムードで始まった

サーキットやパスコンなどを黙々と行い終わり課題を意識したメニューに練習に入ります。

今回のメニューはフィニッシュの精度に関する内容でした。

メニューに取り組む前に再度監督を囲みのミーティングで監督から、クロスへの入り方やセットプレー等の課題の確認が行われます。

クロスに3人入るシュート練習

練習中は監督から指示が飛ぶことはあまりなく、選手同士でコミュニケーションをしっかり取っていました。

8対8のゲームでは、どの選手も球際を激しく意識しつつも、チームとしてボールを大事に繋ぎながらゴールに迫ります。

攻守の切り替えが早く、尚且つ意識の高さから強度が高くなり見ていて面白い内容に。

このゲームは3チームに分けて、対戦相手を順繰りに回していましたが、どのチームが試合していようがプレースピードが変わらずミスも増えなかったため、各選手の技術の高さが感じられました。

練習後に山内 義博監督にお話をうかがいました

–新3年生はどのようなチームですか?(シガラボ管理者)

自ら考えて動ける選手が多いです。見ていただいたように練習の準備など率先してやりますね。自主的に行動してくれるので、指導者としては楽させていただいています。

–練習開始前の光景も驚きましたが、ゲームに出ていない選手がホワイトボードの前で議論している姿にも驚きました。

新チームは考えられる選手が多いので、口を出す機会が少ないですね。

–しかし、ハーフコートゲームではどの選手が出てもさほど変わらないですね。

今年は選手の平均能力値が高いですね。なので、スタメンとベンチを入れ替えても質は落ちません。

–言い換えると一芸に秀でた選手はいないということですか。ただし、高いレベルで何でも出来ると言うのも長所(特徴)ですね。
話は変わりますが新人戦は3位に入賞したものの、今シーズンは2部での戦いになります。

新人戦3位に入ったことで過信が生まれ、練習でだらける時間もできてきました。懸念するところはありますが、リーグ戦は1年でのトップリーグ復帰を目指しています。また春のクラブユースは狙っています!

–山内監督はトップの強化部長も務められています。トップとの交流はあるのでしょうか。

トップのスケジュールは全カテゴリーに配信したり、ビッグレイクでトップとU15の試合がバッティングした際は、トップの試合を見れるよう調整します。
ジュニアの子などはトップの選手名と背番号をしっかり覚えている子もいますよ。

※チームのスケジュール管理はアプリで行い、保護者や選手は自身のカテゴリーとトップの内容を閲覧できるようです。

–監督はジュニアからトップまで幅広い年齢の様々な選手を見ておられますが、U15の年代ではどのような選手が伸びるのでしょうか?

考えられる子、素直な子は伸びますね。こちらの指導に対して質問をしてきたりする子は間違いなく伸びます。

–監督とお話する中で【自主性】という言葉をよく耳にします。

そこは重視しているところですね。

–考えられるから自主的に行動できる。自主性とは思考の先に現れるということですね。

そうです。

–そこはセレクションでも重視される点でしょうか。

うちのセレクションはゲームに多くの時間は割きません。技術も見ますが【人】もみますね。

–ありがとうございました。

レイジェンド滋賀FC U-15(山内監督)のツミアゲルモノとは

①チームに生じているその時々の問題を把握し、課題の解決に取りかかる
②【自主性】をキーワードに選手自身が考え行動に移すようなチーム作り

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