4月2日(日)ビッグレイクで滋賀FAカップが開幕した。
滋賀FAカップは滋賀県No1を決めるトーナメントで、勝者が天皇杯に出場する伝統的で格式のある大会だ。
初戦は注目カード!
大会初戦は、社会人トーナメントを勝ち上がってきたヴィアベンテン滋賀と守山侍の一戦。
清水エスパルスなどで活躍した県出身の元Jリーガー村田和哉氏が立ち上げた県1部のチームが、上位カテゴリーの関西リーグ1部に所属する“格上”に挑んだ。
Jリーグ入りを目指すヴィアベンテンにとって今後の試金石となる1戦を前に、村田氏は「強敵ですが挑戦していきます」と意気込んだ。
強度の高い相手に後手に回る
1回戦とは思えないぐらいの観客が見守る1戦は立ち上がりから激しい主導権争いが繰り広げられる。
守山侍は今シーズンの初の公式戦となったが、堅さを感じさせない動きでヴィアベンテンを圧倒する。一方、大学生が多い若いヴィアベンテンは技術と運動量で立ち回ろうとするも、球際で勝てずペースを握れない。
すると前半6分、ヴィアベンテンにピンチが訪れる。
前線から早いプレッシャーをかける守山侍にゴール前でボールを奪われシュートに持ち込まれる。守山侍の22番大嶋がボックス内で打ったシュートはバーを強打し、難を逃れる。
早々のピンチの後も守山侍に圧され守備に回る時間が続くが、守護神1番松田龍之介(MIOびわこ滋賀U15-京都橘高)の好プレーや、40番林永翔(MIOびわこ滋賀U15-京都橘高)や5番周防湧和(守山北高)を中心としたDFラインが身体を張りゴールを割らせない。
攻撃では長身FWの50番桐田彪河(野洲高)を起点に押し上げようとするも、守山侍のDFが硬く押し上げられない。また守山侍の出足が良く、セカンドボールも拾えず、ボールが持てない時間が続く。
防戦が続く中、前半27分に均衡が破れる。右サイドで奪われたボールが左サイドに展開。ボックス内で受け取った守山侍の25番田中慶吾(京都サンガU15-京都橘高)がワンフェイクで相手を外して右足を振り抜く。好セーブを続けていたGK松田もDFの死角からのシュートは防げず先制点を許す。
攻撃に転じたいヴィアベンテンだが、前半30分過ぎにアクシデントが起こる。右サイドの10番高橋が負傷によりピッチを去ることに。高橋の精度の高いプレスキックはこの試合の鍵であったが前半で武器を失ってしまった。
その後も守山侍のペースで試合は進むも、DFラインの踏ん張りとGK松田の活躍で最少失点で試合を折り返す。
相手の強度に慣れた後半。それでも壁は厚く
後半のヴィアベンテンは相手のスピードや強度に慣れ、50番桐田が競合いで相手より先に触れるようになり。セカンドボールを88番佐藤大地(セゾン-野洲高)や15番林が拾う場面が増える。
しかし、流石の守山侍。後半に入っても強度が落ちず、中盤で即時奪還されチャンスを生み出せない。また、シャドーの15番林が相手との接触でベンチに下がる。
前半同様に防戦の時間が続くが、全員で守り追加点を許さない。攻撃では左サイドの22番田畑一星(守山北)が個人技でゴールに向かう場面もあったが、複数人に囲まれ決定機に至らず。
前半から強度の高い相手に真っ向勝負で立ち向かった選手たち。終盤は足を攣る選手が続出する。すると後半37分右サイドを崩され追加を献上。
その後、一矢報いようとカウンターからチャンスを狙うも、守山侍の壁は高かく、得点機会を作れずタイムアップの笛が鳴った。
試合後に村田和哉選手は「相手は格上で強いチーム。怪我人が多い中で選手は素晴らしいゲームをしてくれた。何より選手が課題を分かってくれたと思う。ここからまだまだ強くなる!」とコメント。
フィジカルは成長途中だが個性的でテクニカルな選手が多く、また県1部とは思えないぐらい多くのファン・サポーターからの声援を受けるヴィアベンテン滋賀。今後どのように歩んでいくか楽しみだ。