U-15高円宮杯県予選が終わり、多くの現中学3年生(2008年生まれ)の活動は終了した。来年の主役となる2009年生まれの新チームは本格始動して間もないが、この年代での最初のタイトルをかけた大会【クラブユース新人戦決勝】がビッグレイクで行われた。
クラブユース新人戦は県大会のみで優勝しても上のカテゴリーはないため、この大会へのかける想いは差が出そうだが、サンライズリーグ(関西リーグ)に所属し主なコンペティションでは県大会の出場を免除されているチーム(2024年度はMIOびわこ滋賀U-15とLASTA滋賀)と競い、同年代での県のチャンピオンが決まるのはこの大会のみなので、ファンとしては楽しみな大会である。
対戦成績は五分の両チーム
決勝カードはMIOびわこ滋賀U-15(サンライズリーグ2部)と京都サンガF.C.SETA滋賀(県リーグ1部)。長らく県のトップを走り続けているMIOびわこと、FC.SETAから京都サンガの冠となって4年目で飛躍が期待されるサンガSETAの注目の一戦となった。
なお、この年代のMIOびわこは、1年生時にチームをヤマトタケルリーグ(関西圏の強豪チームが所属するU-13リーグ)に押し上げた年代で前評判も高いが、この年代の主な大会の戦績は五分。
【U-13サッカーリーグ2022滋賀】MIOびわこ 2-0 サンガSETA
【U-14リーグ COPA AZUFLAGY】サンガSETA 2-1 MIOびわこ
スターティングイレブン
両チームのスターティングイレブンは次のとおり。サンガSETAは相次ぐ選手の体調不良により、GKを含むメンバーに大きな変更があった。


MIOが終始圧倒した前半戦
決勝戦は両チームの応援席から上級生や下級生、サポーターから応援歌が飛ぶ、選手権の予選に近い雰囲気となった。

前半開始直後、MIOが前線からの素早いプレッシャーによりサンガSETAに圧力をかける。奪ったボールは縦に早く展開し、相手に時間を与えないハイテンポなサッカーを続け、終始相手の陣地でゲームを進める。
特に目立っていたのは7と24の両ボランチ。両選手ともに足元の技術はもちろんだが運動量も豊富で、7番の選手はサイドや前線に顔を出しあらゆる箇所で攻撃の起点になる。
また24番は前線に出た7番のケアをするとともに、攻撃ではピッチを広く使った長短のボールを供給する。
しかしながら、MIOは相手ゴール前までボールを運びシュートチャンスを幾度も作るも、CB17番を中心としたサンガSETAの粘り強いディフェンスによりゴールは奪えない。
一方のサンガSETA。DFラインの低い位置からのポゼッションを図るもMIOの早いプレスにより思い通りにボールを運べない。大柄で足元の技術も高いFW2番にクリアボールを当てることにより一時的に時間は作り出せるも、味方のサポートも遠くまた、MIOのディフェンス陣の対応の上手さによりなかなか前にボールを運べない。
MIOペースで時間が進む中アクシデントが起きる。MIOのFW18番が負傷し、6番が投入される。
予期せぬ交代によりMIOのペースが落ちるかと思ったが、6番は高いテクニックと独特のテンポでボールを保持でき、単調だったMIOの攻撃にアクセントを加え一層MIOの攻撃に迫力が増す。
ビッグチャンスが立て続けに訪れるも決めきれずにいた前半32分、MIOに待望の先制点が生まれる。MIO25番が左サイドの深い位置から個人技で相手DFを抜き去りそのままニアに流し込んだ。その後は両チームに得点機会はなく前半終了の笛がなる。
前半を最少失点で食い止めたサンガSETA。相手のハイプレッシャーに圧倒されその波を押し戻すことなく前半が終わった。

巻き返しを図るサンガSETAを寄せ付けず
低い位置からショートパスでポゼッションを図るスタイルを対策され、ボールを思うように運べなかった前半。しかし、後半はサンガSETAペースで始まる。距離感がよく判断が早くなりプレッシャーにハマるようなパスが少なくなった。
すると後半10分に、サンガSETAに大きなチャンスが訪れる。20番を経由し最後は25番がキーパーと1対1に。しかしMIOのGKが果敢に前に飛び出しスーパーセーブを見せる。

サンガSETAのチャンスが続くかと思われたが、徐々にMIOも息を吹き返し続けに追加点を奪う。
後半15分過ぎ、6番のコーナーキックでこぼれたボールを27番が振り抜き追加点。2点目を取って間も無く、カウンターの流れからMIOの19番が遠目からニアを突き刺すミドルを放ち3点差。
終盤、自陣ゴール付近でもショートパスで繋ぐサンガSETAに対し、高い位置でプレッシャーをかけたMIO6番がゴール前でボールを奪い、そのまま流し込み4点目を奪う。

サンガSETAも反撃を試みるがMIOディフェンス陣の高い集中力を前にゴールをこじ開けられずタイムアップ。MIOが2年連続の優勝を果たした。
